オルケスタYOKOHAMA 斎藤一臣さんインタビュー

オルケスタYOKOHAMA 斎藤一臣さんインタビュー

2013/01/11にめぐろパーシモンホールで行われましたメンターオライブにて、オルケスタYOKOHAMAの斎藤一臣(S)さん、斎藤晶(A)さんにインタビューさせていただきました。

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- 本日は1部2部の構成でしたがいかがでしたか。

S やっぱりプグリエーセものがいいよね。圧倒的だな。

- 1部と2部でプグリエーセのスタイルがわかりやすいように構成されていたなと思いました。

S 1部の方でポピュラーな曲やって耳を慣らして、2部で自分たちメンターオの本当のものを、”俺たちはこれだ!”っていうのを聞かせたのが非常に個性として成功してるね。

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- 以前に晶さんにお話お伺いしたときに切れのある鋭さがメンターオの魅力ということだったんですが今回の1部ではメンターオのテンポや強弱、展開の変幻自在さを見せつけられました。

S 歌い回しがすごい。ああいう変幻自在さというのは我々オルケスタティピカではなかなかできない。アイコンタクトで作っていくから。こういう四重層とか、一番分かりやすいのは最初のトリオだよね。トリオが一番変幻自在なことをやるじゃない。それは少ない人数だから表現するのにやりやすい。人数が多くなると音が濃くなるけれども、そういうニュアンスの変幻自在さは減ってくるという。そういうことを非常にはっきり表している。しかも今日は練習をうんとやってあるので、呼吸のタイミングがほとんど狂うところがなかったなと、これが今日の成果じゃないかと。ようするに半端じゃない練習だったなと。

- かなり長い時間練習されていたんですか?

S そうだよね、うちの教室(三田塾ホール)にも何回も練習しにきてたから、ともかく場所さえあればやったんじゃないですかね。で、我々の練習もこのところお休みしてるしね。池田君も専光君もメンターオやるからオルケスタ横浜の練習は来てないですね。それはそれだけこっちに入れ込んでいたということなのでしょう。

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- 晶さんはいかがでしたか。

A(しばし沈黙)…いや、感動しちゃって言葉も出ないのですけど…。今日は、パーシモンホールというちゃんとしたコンサートホールでの演奏会だったから、ひとつサウンドの広がりがありました。この前のエルチョクロでの、ああいうライブハウスで本当に近いところでむき出しの音で楽しむのも、とてもライブ感覚が溢れていて楽しい、とても楽しい。それがこの楽団の大きな魅力だなと思っていたんですけど、パーシモンホールで演奏することでひとつサウンドがフォーマルになる印象を持ちましたね。そういうフォーマルな響きのある、広がりのあるサウンドの中での説得力。切れ味だけでなく、「音楽の懐の深さ」みたいなものが要求される気がするんですよ。そこがすごかったですね。

- とても高貴な感じがしました。

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- メンターオのこれからどうなっていくとお考えですか?僕は映画音楽等、もっと幅広い活動ができるんじゃないかなと思っているのですが。

S それは2面性じゃないかな。非常にポピュラーなものを作っていけるというのと、まさにメンターオという、とてつもない連中のサウンドっていうもうひとつ奥深い音作りとね。それはクラシックと同じキレイなハーモニーで、歌い回しとか間の作りでロマンチックにやってく側面と、アルゼンチンの、あるいはプグリエーセが持っている独特の和音とか独特の間ですよね。ビート以上じゃないですかね。グッとつめてウッウッとやったりするようなああいう特殊性というものもますます磨かれていくんではないでしょうかね。非常にそれを思う。特に池田君も専光君もそういう音へのこだわりが強いのでね、我々と一緒にやっていても我々より彼らのほうがそういう角ばったところを作るというこだわりは強いんですよ。なんて言うんだろう...歌い回しが角ばっているんですね。ウッウッウッとこう角ばった運びを非常に上手くやる、まぁ背景には、本人達がMCで言っていたように大熊君というしっかりしたベースがあるからそういうことがやれるというのもあるけど。あの二人はそれが大好きなので、単純なロマンティックとは違う感じのものを持っている一面がありますね。それがメンターオだろうと私は思うんだね。まぁホント稲妻ですよ。一言で表すと”稲妻”ですよ!

- メンターオにひとことお願いします

S 大いに練習しなさい。練習に勝るものはない。

- ありがとうございました!

IMG_0079齋藤一臣
NPO法人三田教育研究所理事長、オルケスタYOKOHAMA代表。
17歳で「梅川健とオルケスタ・ビクトリア」に入団。19歳で中央大学ルナ・タンゴ・アンサンブルに入団。そして30年程前オルケスタYOKOHAMAを結成、現在に至る。その間ブエノス・アイレスでタンゴの巨匠オスバルド・プグリエーセやその仲間達と演奏活動を通じて交流。同時に数多くの若者のタンゴ教育を依頼し、日本に正しいタンゴを根付かせた。またブエノス・アイレス のラ・カサ・デル・タンゴ(タンゴの家)建設に当たりヤマハのグランドピアノを寄贈したり、いち早く資金協力した結果、メネム大統領(当時)から5000万円引き出すことになったりした。

-オルケスタYOKOHAMAライブ情報-

2月24日(日)メンターオ@三田塾ホール 開演 14:00 / 3000円

3月24日(日)オルケスタYOKOHAMA@三田塾ホール 開演 14:00 / 3000円、

5月5日(日)オルケスタYOKOHAMA@横浜開港記念会館 開演 14:00 / 4000円、3000円、2000円、1000円(指定席)